ハイツの花だより
キンモクセイ (金木犀・常緑小高木) 「ママ、トイレの匂いがするよ」 「エッ、どこ? なにが・・」 私の後ろで、お母さんと小さなお嬢ちゃんの会話が聞こえて来ました。私は一瞬、ン?となりましたが、辺りはキンモクセイのよい香りが漂っていました。そうか、一時、この香りはトイレの芳香剤(消臭剤)に使われていたナーと思い、その後で、このお嬢さんは、キンモクセイの香りを嗅ぐたびに、この記憶が甦って来るのだと思うと・・。なんとも残念の一言です。もう20年以上も前のことです。 それにしても、この香りをトイレの匂い消しにしようと考えた奴は誰だ。 大阪の漫才師ではないが、「責任者出てこい!!」だろーね。 秋を告げる花(香り)です。小さな十字の花が棒状に集まって咲き、何とも芳しい香りを放つ花木ですが、香りに気づきキンモクセイが咲きだしたナーと思う間もなく、ましてや雨でも降ろうものなら、アッと言う間に散ってしまいます。が、散った後の木の下は、まるでオレンジ色の絨毯のようで、切り取って持って帰りたい気持ちになります。何とも名残り惜しい花で、開花期間が短すぎ、紹介する機会を逃している花木です。 昨年、ハイツの花はあっという間に終わりがっかりでしたが、10月の中旬京都で見たキンモクセイは、寺院や民家の生け垣も円筒形仕立ても見事に香っていました。関東とは少し時間差があったようで、旅先で出会った幸運は思いがけない幸せのお裾分けでした。 この記事が紹介された時に、ハイツのキンモクセイは如何に・・。 (写真は全て昨年写したものです) 一口メモ ① 分類 モクセイ科 ② 原産国 中国 モクセイといえば、本来はギンモクセイ「銀桂」を指します。しかし、日本では断然キンモクセイ「丹桂」に人気があります。推測ですが、香りのせいではないでしょうか。(ギンモクセイは余り香りません) 中国の観光地として有名な「桂林」はモクセイの町という意味です。